マルメロの芳香蒸留水と赤いゼリー

マルメロのエキスを煮出すときの蒸気を蒸留して芳香蒸留水を作ってみることにした。煮汁を煮詰めていく時点で同時に得られるので,一石二鳥である。

 

得られた芳香蒸留水は,それなりによい香りである。まあ,使い道があるかどうか,疑問であるが。ちなみに,アロマオイルは得られなかった。

エキスを砂糖と煮詰めてマルメロゼリーを作った。カリンで作っているのと同じ調製法でやってみたところ,カリンよりは赤味が薄いものの,きれいなゼリーができた。もっと濃縮率を上げればより赤味の濃いゼリーになる。

 

マルメロの煮汁を砂糖と煮詰めたゼリーは「Quidony」といい,果肉全体をマッシュして羊羹のように仕上げたマルメラーダとは区別されていた。

 

赤く綺麗なマルメロゼリーはヨーロッパの歴史の中で高価な贈り物として用いられていた。

予言で有名なノストラダムスは16世紀に「王に献上できる赤いマルメロゼリー」のレシピを記している。実際,フランス王ルイ14世はマルメロゼリーがたいそうお気に入りであったようだ。

 

そんなことを思い浮かべながらクラッカーにのせたゼリーをいただくのもちょっと楽しい。